私は、これまで5年に渡り、電子書籍ビジネスを追究してきました。楽しいこと、嬉しいこと、嫌なこと、絶望したこと、たくさんありました。振り返れば、そのどれもが良い思い出です。
2015年に入り、明らかに「市場」の動向が変わってきたと感じます。一言で言えば、「電子書籍」は、「当たり前のメディア」になってきたのです。
楽天やクックパッドなど、大手企業が当たり前のように電子書籍関連の会社を買収し始めました。彼らの動きは2010年頃の浮かれたムードとは違い、明らかに確信的かつ戦略的に見えます。
2、3年後を見据えて仕込んでいると思うので、おそらくこの数年で日本市場は、何らかの大きな変化を始めます。
コンテンツ目次
私たちは何をすべきか
あなたが、電子書籍ビジネスを続けていかれるなら、私からお伝えしたいのは次の1点のみです。それは【電子書籍ビジネスは、スマホ向けデジタルコンテンツビジネス】という視点です。
この一点さえ忘れなければ、ビジネスとして大きく外すことはありません。今、目に見える成果が出ていなくても、必ず追い風が吹いてきます。なぜなら、スマホ市場では、メディア(まとまったデジタルコンテンツ)を持つことが必須であり、最強の戦略だからです。
惑わされないでください
今年の1月に、「ポータルサイトが失敗した話」という投稿をした所、思ったより拡散されました。この時、堀江貴文(ホリエモン)さんが私の投稿を見て「EPUBがいいと思ってる時点で終わってる笑」とコメントされました。
私としては堀江さんがこのような意見をされるのは「想定内」でした。なぜなら、堀江さんの電子書籍に対する意見は、最初から一貫しており、変わっていないからです。なので私としてはむしろ、注目して頂いたことが嬉しかったです。
ただ、注意すべきなのは、堀江さん(や有名人)が否定したからといって「やっぱり電子書籍はダメなのか」と短絡的な思考に走ってしまうことです。ツイッターを見ていても、何も知らないであろう人が堀江さんに同調しているのを見てガッカリしました。
大切なのは、自分の頭で考え本質を把握することです。
本質から読み解く
堀江さんは何の意図があって「EPUBがいいと思ってる時点で終わってる笑」とコメントしたのか?
本質から見れば簡単です。
堀江さんはもともと「電子書籍はテキストで良い」という主張をされています。これは、「スマホで文章を読むときに、何らかのリーダーを通すのが面倒くさい。だったら、メール並みのシンプルさで良いじゃないか」という意味です。
確かに利便性、シンプル性から考えればその通りです。
しかし、私たち「インディーズ作家」が、高品質な電子出版を行うならEPUBは避けて通れません。
単なるテキストだと、体系的な情報を伝えることができないので、スマホ向けデジタルコンテンツとしても効果が低下します。
堀江さんの場合、自身の知名度という最強の武器があるので、メディア(媒体)は何でも良いのです。紙書籍、ウェブサイト、ブログ、ツイッター投稿、そしてメルマガ。すべての情報発信が堀江さんにとっての「メディア」になっています。
インディーズ作家は多くの場合、強力なメディアを持っていませんので、自身(自社)のメディア化を進めていく必要があります。
そして、その最適かつ強力な手法が「電子書籍」なのです。
この視点から考えないと「EPUBの是非」とか「電子書籍は流行るのか?」とか意味のない議論になります。
本質から考えれば人の意見など気になりません。
自分が進むべき道が見えているからです。
「メディア革命」が起こり始めています
これまでに、ホームページ、メルマガ、ブログ、ツイッター、フェイスブック、ユーチューブ、電子書籍、LINE、キュレーションサイト、インスタグラム・・・と言った新しいメディアが次々と誕生しています。
特に「スマートフォン」という土台が生まれたことで、メディアの定義が一変しました。
これから何度も「メディア革命」という規模の大きな変化が起きてくると考えています。その時、電子書籍という「総合メディア」に携わっている人は、あらゆる観点から「メディア戦略」を実行することができます。
そのポジションをとった人は、次々と生まれる「ゴールドラッシュ」で何度も活躍することが可能になります。