今回は「イノベーター理論」から考えた時に、日本のインディーズ電子書籍市場はどの段階にあるのか考えてみよう。
電子書籍市場参加者を「イノベーター」「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティ」「レイトマジョリティ」「ラガード」の5つに分類する。
電子書籍イノベーター理論
イノベーター(先駆的採用者)
電子書籍元年(2010年)に技術も含め、電子書籍に興味を持った人。
アーリーアダプター(初期の採用者)
電子書籍を出版して、いち早く成功をした人。日本では、『Gene Mapper(ジーン・マッパー)』を執筆した藤井太洋先生、人気漫画家の鈴木みそ先生などが当てはまる。
アーリーマジョリティ(初期の多数採用者)
アーリーアダプターが成功したのを見てから行動する人。現在の電子書籍市場ではほとんど見当たらない。
レイトマジョリティ(慎重派)
アーリーマジョリティが成功したのを見てから行動する人。現在の電子書籍市場では存在しない。
ラガード(保守派)
電子書籍を決して取り入れない人。
アーリーアダプターが少なすぎる!
以上のように見てきたが、今の日本におけるインディーズ電子書籍業界は、イノベーターの参加で止まっている。
アーリーアダプターは、少しずつ誕生してきているが数が少なすぎる状態だ。
しかし、電子書籍関連のサービスを見ると、アーリーアダプターを飛び越えてアーリーマジョリティ以降の層にアプローチをしている会社が多く見受けられる。
今は、まずアーリーアダプターを育てる時期だ。
そこを見誤ると間違った仕掛け方をしてしまう。撤退していった会社が多いのも頷ける(私は批判しているのではなく、電子書籍市場の発展を心から願っている)。
アーリーマジョリティは、あくまでもアーリーアダプターの成功を見てから行動する。要するに、アーリーアダプターはその先のインディーズ電子書籍業界の未来を担っているのだ。
だからこそ、業界としてアーリーアダプターを発掘、育成していこう。