今回はデザインの重要な要素である「色」について説明していきます。
書籍のデザインに関わらず、色は私たちの生活に様々な効果をもたらしています。
特にデザインという枠で意識をしていなくても、「色を選ぶ」というのはごく身近なことではないでしょうか。
しかし身近であるからこそ、よく考えて効果的な選択をすることが重要であるといえます。
コンテンツ目次
1.色の種類と分類
まず大きく2つに「無彩色」と「有彩色」に分けることができます。
無彩色は白・黒・グレーの色味のないもの。
有彩色は赤・青・黄といった色味のあるものを指します。
さらにそこから細分化して分類されるのですが、分類の方法もいくつかあります。
より身近で耳にする機会も多いのが「暖色系」「寒色系」ではないでしょうか。
これも色の分類の方法です。さらに色の濃さ、色の鮮やかさなどによってもさまざなに分類されます。
2.色の効果
人間は目で見て瞬時に色を認識します。
それだけに色から受けるイメージはとても大きいものです。読者が電子書籍を選ぶ時、画面に並ぶサムネイルで選ぶことになります。
ぱっと見の印象がより大切ですので、瞬時に判断できる「色」という要素はとても重要だといえます。
先述の分類でいうと、
暖かいイメージにしたい = 暖色系
冷たいイメージにしたい = 寒色系
のようにまずシンプルに選ぶ事もできます。
さらに派生させて、
暖かい → 易しい・優しい・柔らかい・明るい・元気・子ども向け
冷たい → 爽やか・堅い・クール・難しい・ビジネス
といったように様々なイメージ付けに使用することができます。
また、濃度や鮮やかさによってもイメージは変わります。
一般に濃く鮮やかであるほど主張が強く強烈な印象にはなります。
しかし、使い方によっては安っぽく下品な印象になってしまうので、効果的な使い方をよく吟味する必要があります。
3.二色以上の組み合せ
色を組み合わせることを配色といいます。
二色以上の組み合せによってさらに様々な効果が生まれます。
色という要素はイメージへの影響が大きく大事な要素ですが、デザインになじみがなくても感覚的に試してみることができる要素です。
まずは難しく考えず、似たような色を組み合わせ・正反対の色の組み合せなど、色々試してみるのが良いと思います。
試した中で生まれた効果をよく覚えておいてください。
例えば色の濃いものと薄いものを並べてみましょう。
わかりやすい例は白と黒です。お互いがよりはっきりとする効果であることを覚えておくのです。
では黒を濃い紺にしたらどうでしょうか。無機質だったイメージによりメッセージ性が生まれてきます。
「はっきりと」「クールな」内容であると伝えたい時にこの配色を使うわけです。
受け取る側の主観や地域で多少のズレはあるものの、色はそれぞれに連想させるおおよそのイメージ付けがなされています。
すなわち効果的に使えば、色そのもので強くメッセージを発信することが可能になるのです。
色の持つ力をより多く知っておくことで、デザインの幅もさらに広がることでしょう。