どんなジャンルのものでも、「表現しよう」「伝えよう」とするときには、目的をしっかり持っていないとなりません。
「何を」「どんな人に」「どう伝えたいか」はっきりと明確に設定してあるでしょうか。その設定を目に見える形として表現するのが、つまり書籍デザインというわけです。
コンテンツ目次
ステップ1.書籍の目的を明確にする
自分が読者の立場になって考えてみましょう。
やはり本を選ぶときは「これが知りたい」「こんな気分になりたい」と目的を持って選ぶことがほとんどではないでしょうか。
さらに電子書籍になると、自分で目的をもって探し、絞り込むという動作がより必要になってきます。目的を持って能動的に本を選ぶ場面が、一般の書籍よりも多いことは間違いありません。
読者が求めていた結論や読後感を想像し、なるべくズレのないような表現を選ぶのが理想です。
2.ジャンルごとにおおよその方向を決める
デザインは大雑把に考えれば取捨選択の積み重ねともいえるでしょう。
文芸作品なのかビジネス書なのか、または実用書やアート、スポーツなど実に多様なジャンルがあり、さらにそのジャンル内でも細分化されています。
ジャンルごとに分類してみるだけでもある程度方向は決まってきます。
例えばビジネス書には淡い色やポップな書体は似合いません。
逆に女性向けの心理書に勢いのあるCGイラストが描かれていたら、開くのをためらうのではないでしょうか。
3.メインターゲットを意識してさらに方向を絞り込む
さらに「どんな人に」という絞り込みを加えてみましょう。つまりメインとなるターゲット層を意識するということです。
性別・年齢層はもちろん、例えば料理本であれば初心者向けとプロ向け、ビジネス書であれば若手社員向けから経営者や管理者向けのなど、ターゲットと一言でいってもまた細かく細分化されていくものなのです。
4.ふさわしい表現を選び取る
ある程度方向が絞れたら、書体や色味、イラストや写真の有無などを選び取っていきます。
明るい親しみやすい雰囲気は「若い」「初心者」「女性」に向いています。
深みがありシャープな雰囲気は「大人」「玄人・プロ」「男性」向けと言えるでしょう。実写の写真は直接的で強いメッセージ性を感じさせるものが多いです。イラストはやわらかい印象、または抽象的な表現をしたいときによく使われます。
先に述べたように、デザインは取捨選択の積み重ねです。
「何を」「どんな人に」「どう伝えたいか」という方向が固まっていれば、そう悩まずに表紙デザインの方向も見えてくるのではないでしょうか。